8. 未来を見通す! 簡単資金繰り表の作り方と活用術

資金繰り表は、あなたの事業が未来へ向かって進むための「お金の地図」であり、「羅針盤」です。
この地図を手にすれば、未来のピンチをいち早く察知し、チャンスを掴むための確かな一歩を踏み出すことができます。
さあ、一緒に未来を見通す力を手に入れ、希望に満ちた事業を切り拓いていきましょう!

1.資金繰り表って何? ~未来の「お金の地図」~

資金繰り表とは、「いつ、いくら、お金が入ってきて、いつ、いくら、お金が出ていくか」を月ごとに予測するリストです。
これは、単に「利益が出ているか」だけでなく、「手元に現金がいくらあるか」を把握するための、主に3つの役割をもつ重要なツールです。

1. 資金調達: お金をどこから集めてくるか? 事業を続けるための必要資金をどう(自分・親兄弟・銀行など)集めるか計画する
2. 収支・損益計画: どれだけ儲け、いくら使うか?
事業がどれくらいの売上を上げ、どれくらいの費用がかかるかを予測し計画する
3. 返済計画: 借金をどう返していくのか? 毎月の借入金の返済の財源や返済額の見込みの予定を計画する

「黒字倒産」を防ぐために不可欠!

売上がたくさんあっても、お客様からの入金が遅れたり、仕入れや給料の支払いが先に発生したりすると、一時的に現金が足りなくなり、会社が倒産してしまうことがあります。これを「黒字倒産」と呼びます。
資金繰り表は、このような未来のピンチを事前に「見える化」し、対策を立てるためのものです。

2.未来を見通す! 簡単資金繰り表の作り方:3つのステップ

まずはExcelなど、使い慣れたツールでシンプルに作成してみましょう。

  • ステップ1:未来のお金の出入り「収入」「支出」を具体的に書き出そう!
    • 【主な収入(入金)項目】
      • 売上金: お客様からの入金日を予測しましょう。
      • 融資実行額: 銀行などから借り入れる予定の金額です。
      • 補助金・助成金: 入金時期は申請後、事業完了後の「後払い」になることが多いので、受け取る時期を正確に把握することが大切です。
      • 自己資金: 創業者が事業に投入する自身の貯蓄など。
      • 親族・友人からの借入: 身近な人からの支援金。
    • 【主な支出(出金)項目】
      • 仕入れ、材料費、外注費: 商品の購入や外部への委託費用です。
      • 人件費: あなた自身の給料、従業員の給料、社会保険料などです。
      • 家賃、光熱費、通信費: 事業所の運営にかかる固定費用です。
      • 借入金の返済: 融資の元金と利息の支払い。
      • 税金: 消費税、法人税、所得税など。
      • 設備投資費用: 新しい機械や什器の購入費用など。
    • 【作成のポイント】
      • 収入は「堅めに」、支出は「余裕をもって」見積もりましょう
      • 「減価償却費」は現金が出ていかない費用なので、資金繰り表の支出には含めません。
        利益には影響しますが、収支(お金の出入り)で考える場合は「利益+減価償却」が目安になります。
  • ステップ2:毎月の「現金残高」を計算しよう!
    • 前の月の月末残高 + 今月の収入合計 - 今月の支出合計 = 今月の月末残高
      前月末に残っていたお金に、(+)今月の収入を足し、(-)今月の支出を引くと、今月末に残るお金がわかります。
    • この計算を、まずは半年から1年先まで作成してみましょう。
  • ステップ3:未来の「資金ショート」を「見える化」しよう!

    計算した月末残高が「マイナス(▲)」になった月があれば、それが「資金ショートのサイン」です!
    いつ、いくら不足するのかが分かれば、事前に具体的な対策を立てることができます。

3.未来を変える! 資金繰り表の活用術

資金ショートのサインが見えたからといって、焦る必要はありません。
資金繰り表は、未来を変えるための「ヒント」をあなたに与えてくれます。

  • 【資金ショートを回避する具体策】

    • 入金を早める工夫
      • 請求書を即時発行する。
      • 入金期日を過ぎた場合の遅延損害金を設定する。
      • 取引金額の一部前入金や着手金を交渉する。
      • チケット制による割引など、入金を早める特典を設ける。
      • 金融機関に資金需要情報をあらかじめ伝え、良好な関係を築く。
    • 支出を遅らせる工夫
      • 支払契約期日を遅らせる交渉をする。
      • 現金払いを減らし、掛け取引やクレジットカードを賢く利用する。
      • 設備投資は一括払いではなく、リースや分割払いを検討する。
      • 金融機関に対して借り換えの交渉を行う。
  • 【困った時は専門家・支援機関を活用!】 一人で抱え込まず、頼れるプロの力を借りましょう。

    • 商工会議所・商工会: 経営指導員が創業に関する基礎知識や資金調達、事業計画など、幅広い相談に応じてくれます。非会員でも対応可能です。
    • 日本政策金融公庫: 新規開業資金など、創業期に特化した融資制度が充実しています。
    • 東京都・各区市町村の創業融資: 金利優遇や信用保証料補助など、有利な条件で資金調達が可能な制度があります。
    • 小規模事業者持続化補助金<創業型>: 販路開拓や業務効率化に活用できる補助金で、認定創業支援等事業による支援を受けた創業者に有利な制度です。
    • よろず支援拠点、中小企業診断士: 経営上のあらゆる課題に対する相談や助言、適切な支援機関の紹介を行っています。
    • ITツールの活用: 会計システムや販売管理システムなどを導入することで、経理業務を効率化し、迅速な経営判断が可能になります。

資金繰り表は、あなたの事業が健全に成長するための「羅針盤」です。
一見、難しい数字の羅列に見えるかもしれませんが、これはあなたの「未来の事業活動」を映し出す鏡であり、リスクを回避し、チャンスを掴むための強力なツールとなります。
知っている」と「やっている」の間には大きな壁がありますが、この一歩を踏み出すことで、あなたの事業は間違いなく強くなるでしょう。


9. 人手不足を克服! 採用ターゲットの明確化と「働きがい」のある職場づくり