例えば、小売業の売上向上のヒントとして、売上を構成する要素を分解し、それぞれに焦点を当てた対策を講じることが効果的です。
◎売上分解式の理解と活用
基本的な売上分解式は「売上 = 客数 × 客単価」であり、この視点を持つことで、どこに課題があり、どのような打ち手を講じるべきかが明確になります。
売上 = 客数 × 客単価
売上を向上させるためには、
❶お客様の人数を増やすか、
❷お客様の購入単価(平均)を上げるか、
または、その両方に取り組む必要があります。
❶ 客数 = 新規客数 +(既存客数 × 来店頻度)
■新規客数:
事業の成長度合いを示すバロメーターです。
既存客は減少する可能性があるため、常に新規客を獲得する取り組みが重要です。
WebサイトやSNSを活用した情報発信、チラシ配布、催事への出店などが有効です。
■既存客数(固定客の人数):
経営の安定度合いを示すバロメーターです。
新規客の再来店を促し、固定客を増やすことが安定経営につながります。
会員カードやポイントカードによる囲い込み、顧客の利用状況に合わせたDM送付、品揃えや商品訴求の工夫が効果的です。
■来店頻度:
顧客と店の密接度を示すバロメーターです。
既存客の再来店を促す工夫(ポイントカードの特典、商品訴求の変更など)により、来店頻度を向上させることができます。
さらに、商圏分析・競合分析を活用し、顧客がどこから来ているのか、競合店に流れる理由などを把握することで、より効果的な集客戦略を立てることができます。
❷ 客単価 = 商品単価 × 一人あたり買上点数
商品単価:
商品の価値と価格のバランスを表します。
商品単価を上げるには、原材料、製法、パッケージ、提供方法など、付加価値を加えることが不可欠です。
一人あたり買上点数: 商品単価の向上よりも取り組みやすい課題です。
POPの工夫:
価格表示の明確化、商品の特徴やストーリーを伝えるPOP、お得感を訴求するPOPなどで購買意欲を高めます。
まとめ買いの訴求:
複数購入による割引など、お得感を提示することで、顧客が自然と購入点数を増やすように促します。
ただし、商品の特性(日用品は需要の先食いになりやすいなど)を考慮する必要があります。
ついで買い商品の提供:
レジ横の小物やミニサイズ商品、セットメニューなど、「ついでに」購買してもらいやすい商品・サービスを提供することで客単価を向上させます。
限られた経営資源の制約を理解しつつ、これらの要素を複合的に改善することで、効率的な売上向上を目指しましょう。