10. トラブル回避! 『特定商取引法』で知るべき取引類型と消費者保護

創業者が事業を営む上で、消費者との取引で発生しうるトラブルを未然に防ぎ、消費者の利益を保護するための法律が「特定商取引法」です。
この法律の【対象となる取引】類型と【消費者保護のルール】を理解しておくことは、事業者が法的なリスクを回避し、信頼される事業を継続するために非常に重要ですので、大まかなルールを知っておきましょう。
詳細は消費者庁のウエブサイト

◎ 特定商取引法の目的と対象取引

◇目的: お客様を不当な取引から守ること

この桜吹雪が・・

特定商取引法は、消費者トラブルを生じやすい特定の取引類型を規制し、
消費者を不当な勧誘や契約から守ることを目的としています。
従って、消費者をお客様にする事業者は、守っておきたいルールとなります。

◇対象取引: 対象となる主な取引類型は以下の通りです。
  • 訪問販売:
    事業者が消費者の自宅などを訪問して行う物品・権利・サービスの販売
  • 訪問購入:
    事業者が消費者の自宅などを訪問して行う物品の購入
  • 特定継続的役務提供:
    長期・継続的な役務の提供と、これに対する高額の対価を約する取引のこと。
    2025年8月現在、7つのサービスが対象…
    エステティック、美容医療、語学教室、家庭教師、学習塾、パソコン教室、結婚相手照会サービス
  • 電話勧誘販売:
    電話で勧誘を行い、郵便や電話などで契約する販売。
  • 通信販売(インターネット販売(ECサイト)を含みます):
    雑誌やテレビ、インターネットなどを通じて行う販売。
  • 連鎖販売取引:
    いわゆるマルチ商法
    商品の販売やサービスの提供を行い、その販売員を勧誘して組織を拡大していくもの。
  • 業務提供誘引販売取引:
    「仕事を紹介する」などと誘い、そのために必要だとして商品などを購入させるもの(例:エステ、語学教室など)。

◎事業者が知っておくべき消費者保護のルール

  1. 書面交付義務:
    契約内容や事業者情報などを記載した書面を消費者に交付する義務があります。
  2. 不当な勧誘行為の禁止:
    事実と異なる説明をしたり、消費者の判断を誤らせるような勧誘は禁止されています。
  3. 広告規制:
    広告には、事業者の名称、連絡先、商品・サービスの価格などの法定事項を正確に表示する義務があります。
    自社ホームページで商品・サービスの申込み等の受け付けを始める場合には、「特定商取引法」の記載を追加することとなります。
  4. クーリングオフ制度:
    消費者が契約後一定期間内(※)であれば、無条件で契約を解除できる制度です。
    これは、消費者が冷静に考える機会を与えるための重要なルールです。
    通信販売には原則としてクーリングオフの適用はありませんが、事業者が表示した特約がある場合はそれに従います。
    (※) クーリングオフ期間
    ■8日以内:訪問販売・電話勧誘販売・特定継続的役務提供・訪問購入
    ■20日以内:連鎖販売取引・業務提供誘引販売取引
    通信販売には、クーリング・オフに関する規定はありません。
  5. 行政規制:
    法律違反があった場合、業務停止命令や罰則が科されることがあります。

これらのルールを遵守することで、消費者との信頼関係を築き、トラブルを未然に防ぎ、事業の健全な成長を促進することができます。